>
日本史 PR

城のしゃちほこの意味を由来・数・役割などから簡単解説

名古屋城の金のしゃちほこ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

はじめに

お城の天守閣の上に置かれているしゃちほこ(鯱)。

特に名古屋城の金のしゃちほこは有名ですね。

ところで私は小さな頃、しゃちほこは鯉だと思っていました。

そして、どうして鯉が天守閣の上にいるのか、どうして逆立ちをしているのか不思議な気持ちで見ていました。

この記事では、城のしゃちほこの意味を由来・数・役割の視点からお伝えします。お城を見に行かれた時の雑学としてお役立てください。

城のしゃちほこの意味(由来)

それでは城のしゃちほこの意味を、由来という視点からご紹介します。

しゃちほこの由来を求めていくと、インドの神話に登場する怪魚マカラに行きつきます。

マカラは、神が乗るイルカに似た動物とされ、インドでは門などの装飾に用いられていました。

このマカラが中国に伝わります。中国では、マカラを海中に棲息して雨を降らす怪魚と考えます。

ところで、中国には瓦屋根の屋上に置く装飾品として鴟尾(しび)がありました。鴟尾は別名沓形(くつがた)と呼ばれる通り、中国の沓に似ていました。

しかし、時間の経過とともに沓形の鴟尾はマカラの影響を受け形そのものを変えて、しゃちほこに変形していきます。

このことから、しゃちほこは空想上の生き物であることがわかります。

そして、その姿は全体としては魚だけれども頭は虎。

頭は水中にありながらも尻尾を水面から出している様子から、尾が天に向かって反り返っている形が一般化していきます。

しゃちほこが日本に伝来したのは飛鳥時代または奈良時代のあたり。瓦とともに中国から入ってきたと考えられています。

もっとも、しゃちほこが装飾されたのはお城ではなく寺院で、特に仏像を守るための厨子(ずし)に多く用いられていました。

しゃちほこを城の天守閣の装飾に用いたのは織田信長です。

織田信長が築城した安土城にしゃちほこが装飾され、これが日本の城でしゃちほこが用いられた始まりと言われています。

安土城は本能寺の変後に焼失しましたが、その後、豊臣秀吉の大坂城などにも用いられるようになり、天守閣のしゃちほこは一般化します。

さらに、時代が下ると天守閣だけでなく、お城の主要な櫓にもしゃちほこが装飾されるようになっていきます。

なお、しゃちほこを漢字では「鯱」または「鯱鉾」と表記されます。

鯱鉾の場合は、しゃちほこが尾を天に向かって伸ばしている様から、「鯱」に神事に使われる「鉾(ほこ)」を付け加えたものと考えられています。

スポンサーリンク


城のしゃちほこの意味(数)

名古屋城の天守閣名古屋城

しゃちほこは一般的には2匹です。

どうして2匹かというと、しゃちほこには役割があり、その役割をしっかりと果たすようお互いを監視しあっているためといわれています。

また、しゃちほこの2匹は雄と雌のつがいであるとも考えられています。

たとえば、名古屋城の金のしゃちほこも雄と雌の組み合わせで、ほんの僅かながらも雄の方が大きく作られています。

もっとも、新潟県新発田市にある新発田城には天守閣の上に3匹のしゃちほこがいます。この場合は、どのような組み合わせなのでしょうか。

スポンサーリンク


城のしゃちほこの意味(役割)

しゃちほこは寺院に用いられ、その後はお城にも使われるようになりました。

しゃちほこは寺院や城の屋根を飾る装飾品といわれてますが、しゃちほこには装飾以外にも意味があるのでしょうか。

しゃちほこは、実用面では屋根の棟瓦の端から雨水が進入するのを防ぐ目的を持っていると言われてます。

確かにそうした役割はあるのかもしれませんが、だとしたらそれはしゃちほこでなくても問題はないはず。

どうやら、しゃちほこには実用的な面以上に大きな役割があるようです。

しゃちほこの役割とは。。。

しゃちほこには、火事除けのおまじないというような意味があります。

しゃちほこは想像上の動物でモチーフは魚。火事があった場合、魚であるしゃちほこが口から水をはいて火事を消してくれる。

もちろん迷信にすぎませんが、しゃちほこが天守閣など高価な建物に使われていたことを考えると、縁起を担ぐためにしゃちほこが供えられたのは頷ける話です。

また、魚は水に深い縁があることから、しゃちほこは五穀豊穣を願って備え付けられているとも考えられています。

まとめ

新発田城の天守閣新発田城

この記事では、しゃちほこの意味を、しゃちほこの由来、しゃちほこの数、そしてしゃちほこの役割という視点からお伝えしてきました。

日本の城には独特の美しさがあります。その美しさを感じさせてくれる一つがしゃちほこです。

お城だけでなく、その上にあるしゃちほこにも目を向けて、お城の魅力をさらに感じ取りたいですね。

 
■合わせて読みたい

こちらの記事もお読みください