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城の石垣の意味を土塁との違いからまとめてみました!

伊賀上野城の石垣
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城の石垣の意味とは

土塁や石垣が現存する城はたくさんあります。

土塁や石垣は敵からの侵入に対する防御機能を有していますが、土塁と石垣ではどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、土塁と石垣の違いから城の石垣の意味をお伝えします。

切岸と土塁

土で造ったものとしては、切岸(きりぎし)と土塁があります。最初に切岸と土塁の違いを簡単にお伝えします。

切岸は自然地形を活かしたもので、山城などを作る場合、山を切り崩して大きな壁としたものです。

切岸は丈夫な地質を切り崩すものなので垂直に近い傾斜ができますが、条件が整っていないと造ることができません。

一方、土塁は土を突き固めて造ります。

多くの場所で土塁を造ることはできますが、切岸ほど急角度の斜面を造ることはできません。

切岸と土塁は土を利用するという点では共通するものの、切岸はいくつかの条件を満たす必要があり一般的とは言えません。

そこで次からは、土塁と石垣の違いを確認したうえで、城の石垣の意味をお伝えします。

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土塁と石垣の違い

土塁や石垣は切岸よりも条件は緩やかで、多くの場所で造ることができます。

また、土塁も石垣も城の防御機能の一つであるという点も共通しています。

土塁と石垣の最大の違いは、土と石という素材の違い。素材の違いが城の石垣の意味を教えてくれます。

それでは、土塁と石垣の違いを表形式でまとめてみます。

 
土塁石垣
原材料の費用安い高い
運搬簡単難しい(多くの労力を伴う)
造る時間固めるだけなので短時間で造ることができる積み上げるので時間がかかる
斜面緩やかな斜面しか造ることができない急な斜面も造ることができる
耐久性風雨に対する浸食に弱い(耐用年数が短い)風雨に対する浸食に強い(耐用年数が長い)
水堀土塁の下に水堀は造れない(水堀を作る場合は土塁の下に石垣が必要)水堀を造ることができる
高さ強度に劣るため高い土塁は造れない強度があるため高い石垣を造ることができる
上の構築物強度に劣るため構築物は土塁の縁より少し離れた場所に造る強度があるため構築物を石垣の縁近くに造ることができる
土塁と石垣で一番わかりやすいのは素材の違いですが、素材の違いが多くの違いを生み出しています。

土塁は費用も時間も節約できる反面、緩斜面しか造れない、耐用年数が短い、強度に劣るという短所があります。

石垣は費用も時間もかかるが、急斜面が造れる、耐用年数が長い、強度もあるので高くも造れるし石垣の上に重い構築物も造れるという長所があります。

たとえば群雄割拠する戦国時代だと、のんびりと時間をかけることはできないし、戦いに要する費用も多大になるため、石垣よりも土塁という選択が多かったのではないでしょうか。

また、しっかりとした石垣を造るためには知識や技術も必要です。

戦国時代に石垣がなかったわけではありませんが、数でいえば圧倒的に土塁が中心になっていたものと思われます。

一方、世の中が安定してくると耐久性に劣る土塁よりも、費用も時間もかかるが長持ちする石垣が重視されるようになります。

また、戦いは少なくなっているとはいえ、城の防御機能を無視することは決してできません。

加藤清正・藤堂高虎・黒田官兵衛は城造りの名手と称されていますが、三人は何れも戦国末期に出てきた武将で、城の石垣造りについても十分な素養を持っていました。

こうした築城の名手の出現で、十分な傾斜と高さを持つ石垣が目立ってくるようになります。

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まとめ 城の石垣の意味

いつ敵が攻めかかってくるかわからない時代ならばともかく、世の中が安定してくると費用や時間はかかっても維持費が少なく長持ちする石垣が重視されてきます。

また世の中が安定しても城から防御機能をなくすことはできません。

そこで急な斜面や高さが造れる石垣の方が優先されるのは理解できますし、さらにこの頃には築城技術も大きく発展します。

このように石垣には、維持費の節約や、防御機能の充実という意味があったと思われます。

また、高くそびえる石垣は土塁などよりも威容があるのも事実です。

城の石垣には領民に対して威容を誇る。そんな意味もあったのかもしれません。

 

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