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はじめに
今でもお城は人気があります。とりわけ天守閣に魅入られる人は多いかと思いますが、その土台となる石垣の美しさに心惹かれる方も少なくありません。
この記事では、城の石垣の積み方についてわかりやすくお伝えします。
城の石垣は築城技術の一環としてたくさんの研究が行われ、学術的にも様々な分類があるようです。
もちろん、それらの分類は尊重されるべきものですが、ここではより簡単にわかりやすく城の石垣3種類の積み方をご案内します。
城を見に行かれた時の参考になさってください。
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城の石垣3種類の積み方とは
城の石垣の積み方としては、大きく分けると次の3種類に分類できます。野面積(のづらづみ)
打込接(うちこみはぎ)
切込接(きりこみはぎ)
それでは、3種類の特徴を簡単にお伝えします。
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野面積
野面積(のづらづみ)は、石垣の歴史の中で最も古い時代のものと言われています。
野面積で使う石は基本的には自然の石で、その石をほとんど加工することなく石垣として積み上げたものです。
そのため、野面積は「自然石積み」として紹介されることもあるようです。
野面積は自然の石を積み上げたものなので外観は不規則に見えますが、土塁よりも耐震性などに優れ、耐用年数も長い点という特長があります。
では、この後にご紹介する積み方と比較するとどのような長所・短所があるのでしょうか。
長所は、他の石垣の積み方と比較すると工期が短く、費用も安く抑えることができるという点があげられます。
短所としては見た目という点もありますが、城本来の防御機能を考えた場合、凸凹していて昇りやすく敵が侵入しやすいという点があげられます。
なお、野面積は大きな石と石の間に小さな石(間石)が詰め込まれています。小さな石も多く使うことで、石垣の排水性が保たれ、強度の向上が図られています。
打込接
打込接(うちこみはぎ)は野面積の進化系で、主に石と石の接着部分を加工して積み上げたものです。
野面積は石と石の間に不規則な隙間が数多く生まれますが、打込接は必要部分を加工して隙間を少なくしています。
打込接は加工はしているものの必要部分にとどまるため「粗加工石積み」として紹介されることもあるようです。
野面積よりも加工が多くされているものの、技術的には発展途上にあるのが打込接です。
そのため野面積ほどではありませんが、石と石の間には隙間が生じますし、数は減るものの石と石の間に間石も使われます。
また、石の表面にも加工が加えられることもありますが、技術面から平面になるまでの加工は行われていません。
なお石垣の壁面は野面積でも、角の部分の石を四角くきれいに成形して積み上げた石垣があります。
これを打込接とする意見もありますが、これを部分的な切込接とする意見もあるようです。
野面積よりも加工技術が進み、美観や防御機能は優れているものの、時間も費用もかかるのが打込接です。
切込接
切込接(きりこみはぎ)はさらに進化したもので、石全体に加工を施し、接着する部分の隙間をなくすだけでなく、表面的も整えられています。
切込接は石全体を加工したうえで積み上げていることから「切石積み」として紹介されることもあるようです。
切込接では間石はほとんど必要なくなります。
また、石垣表面の凸凹が少なくなるため、外観も美しい仕上がりになります。
切込接には、六角形に整えられた石を積み上げていく亀甲積み、積んだ石の下の面が水平に一直線に見える層積みなど様々な技法があります。
しかし、あまりに緻密に造り上げられているため、地震などでその緻密さが損なわれやすいとも言われています。
さいごに
城の石垣についてはたくさんの研究が行われていて、城の石垣の積み方の種類についてもさまざまな分類が行われています。また築城の名手と言われた、加藤清正・藤堂高虎・黒田官兵衛の造った城についても、それぞれの特徴が研究されています。
城の石垣は注目する人が多いためか、様々な角度からいろいろな分類が行われていますが、この記事では簡単にわかりやすくを心がけて、城の石垣の積み方3種類をご紹介しました。
城巡りに行かれた際の参考になさっていただければ幸いです。
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