スポンサーリンク
梅雨前線と秋雨前線
日本には、1年でいくつかの雨季があります。その中で知られているのが梅雨と秋の長雨で、この2つは梅雨前線や秋雨前線によってもたらされます。
大きくとらえると梅雨前線と秋雨前線は同じものと考えられますが、梅雨前線と秋雨前線はいくつかの違いもあります。
この記事では、最初に梅雨前線と秋雨前線の同じ部分、次に梅雨前線と秋雨前線の違いについてお伝えします。
スポンサーリンク
梅雨前線と秋雨前線の同じ部分
梅雨前線と秋雨前線に共通するのは「前線」です。前線には、温暖前線、寒冷前線、閉塞前線、停滞前線の4つの種類があります。
前線は、北の冷たい空気(寒気団)と、南の暖かい空気(暖気団)が接する所にできます。
温暖前線は、冷たい空気より暖かい空気が強い場合。逆に寒冷前線は、暖かい空気より冷たい空気が強い場合にできます。
温暖前線と寒冷前線は、何れも勢力が強い方が弱い方を押しのけるように進んでいくので、長期間、同じ場所にとどまることはあまりありません。
閉塞前線は、別々にできた温暖前線と寒冷前線が接したときにできるもので、2つの前線が閉塞したようになることから名前が付けられています。
もっとも、閉塞前線も同じ状態が長く続くわけではありません。
ところが停滞前線は、冷たい空気と暖かい空気の勢力がほとんど同じなため、接したところに発生した前線の動きが鈍くなり、同じ場所に停滞しがちになります。
この記事でご紹介する、梅雨前線も秋雨前線も停滞前線の種類と考えられています。
梅雨前線も秋雨前線も発生の仕組みは基本的には同じ。
前線のある場所は、大気の状態が不安定になり雨が降りやすくなりますが、梅雨前線も秋雨前線も、同じ場所に継続して雨を降らせることが多くなります。
スポンサーリンク
梅雨前線と秋雨前線の特徴
梅雨前線と秋雨前線の仕組みは基本的には同じであっても、多くの違いがあります。次に、梅雨前線と秋雨前線それぞれの特徴をお伝えします。
梅雨前線の特徴
梅雨前線は、冷たい空気をもたらす北のオホーツク海高気圧と、暖かい空気をもたらす南の太平洋高気圧のぶつかり合いで発生します。発生する時期は、例年5月から7月にかけて。
梅雨前線が生まれるのは台湾や日本の南西諸島付近で、季節が進むとともに南の太平洋高気圧が強くなり北上。
梅雨前線は、南から北へ移動するという特徴があります。
そして、梅雨前線は北上する過程で徐々に勢力を弱め消滅します。
梅雨前線の特徴は、数千キロに渡って長く前線が形成されることがあること。そのため、日本の広い範囲で長雨を降らせます。
また、梅雨前線は最初は勢力が強く、次第に弱くなるという特徴から、日本の中でも東より西側で多くの雨を降らせる傾向があります。
なお、これからご紹介する秋雨前線と比較すると、梅雨前線の方が規模が大きく、期間も長いというのが一般的です。
秋雨前線の特徴
秋雨前線は、冷たい空気をもたらす北のシベリア高気圧と、暖かい空気をもたらす南の太平洋高気圧のぶつかり合いで発生します。発生する時期は、例年8月後半から10月にかけて。
秋雨前線が生まれるのは北日本で、季節が進むとともに北のシベリア高気圧が強くなり南下。
秋雨前線は、北から南へ移動するという特徴があります。
そして、秋雨前線は南下する過程で徐々に勢力を弱め、日本の南東沖付近で消滅します。
また、秋雨前線は最初は勢力が強く、次第に弱くなるという特徴から、日本の中でも西より東側で多くの雨を降らせる傾向があります。
一般的に、秋雨前線は梅雨前線よりも規模が小さく、期間も短く、そのため雨の降らせ方も弱いという特徴があります。
しかし、秋雨前線が発生する時期は、台風シーズンと重なる季節なので、甚大な被害を及ぼすこともあります。
なお、梅雨には梅雨入りや梅雨明けがあるのに対して、秋雨には秋雨入りや秋雨明けという言葉は存在しないようです。
梅雨前線と秋雨前線の違いのまとめ
それでは、梅雨前線と秋雨前線のそれぞれの特徴から、両者の違いを簡単にまとめたいと思います。梅雨前線 | 秋雨前線 | |
時期 | 5月~7月 | 8月後半~10月 |
発生する場所 | 台湾や日本の南西諸島付近 | 北日本 |
動き方 | 北上 | 南下 |
規模 | 秋雨前線より大きい | 梅雨前線より小さい |
期間 | 秋雨前線より長い | 梅雨前線より短い |
雨量 | 一般的に西日本に多い | 一般的に東日本に多い |
その他 | 梅雨入り・梅雨明けがある | 秋雨入り・秋雨明けはない |
秋雨前線がもたらす秋雨は、夏と秋の間に訪れる日本の雨季と言えそうです。
■合わせて読みたい
スポンサーリンク
スポンサーリンク