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小石川養生所とは!場所はどこ・現在はどうなっているの

最終更新日:2018-11-01

はじめに

この記事では、小石川養生所とはということで、小石川養生所が生まれた経緯、小石川養生所の場所、現在はどうなっているのかなどいくつかのことをお伝えしていきます。

小石川養生所が誕生するまで

小石川養生所が生まれたのは、江戸幕府第8代将軍徳川吉宗の時代です。徳川吉宗は将軍在位中にさまざまな施策を行っていますが、その中の一つに1721年の「目安箱」の設置があります。

目安箱は、徳川吉宗が江戸城外に幕臣を除く誰もが自由に政治や経済などの意見を述べられるよう設置したものです。目安箱は月に3回、将軍自ら中身を確認するという、封建制度の中にあっては画期的なものでした。

この投書箱に意見を寄せたのが、小石川伝通院に住む町医者の小川笙船(おがわしょうせん、1672年~1760年7月26日)です。

小川笙船は、病気になっても貧しくて医師の診察を受けることができない人のための救済措置として、施薬院(現在の病院のようなもの)を作ってほしいということを、目安箱を通して直訴をします。

この投書を目にした徳川吉宗は、わざわざ小川笙船を呼び寄せて話を聞くとともに、江戸町奉行の大岡越前守忠相に養生所の設置を命じます。

養生所が設置されたのは1722年。以前よりあった小石川薬園の一角に造られたことから小石川養生所と称されるようになります。

★ 小川笙船は、山本周五郎の小説『赤ひげ診療譚』のモデルとなった人物と言われています。

★ 小川笙船の先祖には小川祐忠(おがわすけただ)がいます。小川祐忠は安土桃山時代の大名で伊予国(現在の愛媛県)で7万石を有していました。1600年の関ケ原の戦いでは西軍につくものの後に寝返って東軍側に味方をします。しかし、戦後は命こそ助けられるものの領地は没収。大名としての小川家は断絶します。

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小石川養生所とは

小石川養生所(現在の小石川植物園)の百日紅
小石川養生所は貧しい人々を対象とした施設ということで、いくつかのルールがありました。たとえば、小石川養生所では身寄りのない病人を保護すること、治療費は無料とすることなどが定められています。

定員は40名。それでも最初の頃は頼る人は少なかったといわれています。その理由としては、幕府が貧しい人の救済措置をするわけがない、行くと新しい薬などを試されてしまうかもしれないと思われていたなどがあげられています。

もしかしたら「ただほど怖いものはない」と思われたかもしれないですね。

徳川吉宗が直々に命じた事業ですから、管轄する江戸町奉行所もPRに努めます。現在のガイドツアーのようなことをしたり、診療を受けるための手続きを簡素化したり、その甲斐あって入所者は徐々に増え、定員も40人から120人程度になったと言われています。

前述のとおり、小石川養生所の管轄は江戸町奉行です。そのため、小石川養生所には与力や同心が配置されるとともに、医師も幕府お抱えの医師や小石川付近の医師を集めて診療体制を整えていきました。

なお、小石川養生所誕生のきっかけとなった小川笙船はその後に引退しますが、小川笙船の子孫は引き続き小石川養生所の世話役のような役割を務めています。

小石川養生所の廃止

小石川養生所は漢方が中心の病院。幕末になると西洋医学が盛んになったこともあり、小石川養生所は衰退していきます。

小石川養生所は明治になり廃止され、1877年(明治10年)に管轄が東京帝国大学(現在の東京大学)に移っています。

その後も小石川養生所は形を変えて存続し、現在は「小石川植物園」として多くの人に親しまれる施設になっています。

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小石川養生所の現在

小石川養生所(現在の小石川植物園)の紅葉
明治になり廃止された小石川養生所の跡地は小石川植物園になっています。小石川植物園の正式名称は、東京大学大学院理学系研究科附属植物園。小石川植物園は、東京大学が設置する研究施設の一つという位置づけです。

もっとも小石川植物園は有料施設として一般に開放をされています。いくつかのルールを守れば、だれでも入ることができる施設です。

小石川養生所の名残としては「小石川養生所の井戸」が残る程度ですが、他にもメンデルの葡萄や精子発見のイチョウなど学術的に貴重な植物があります。

また、そんな難しいことは考えなくても小石川植物園には多種多様な植物が植えられていて、四季それぞれに楽しむことができます。

私もこれまでに何回も小石川植物園を訪ねていますが、入園料が安いのに混雑はしていない。敷地が広いのでそう思うのかもしれませんが、都会の中にいながらも落ち着いて様々な草木をゆっくりと観察することができます。

興味のある方は、開園日・開園時間、入場料等を確認の上、訪ねてみてはいかがでしょうか。

★ 小石川植物園

 
所在地 東京都文京区白山3丁目7番1号
アクセス(電車の場合) 都営地下鉄三田線「白山駅」下車A1出口より徒歩約10分

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」下車出入口1より徒歩約15分
なお、近くには播磨坂があります。播磨坂は東京の桜の名所としても知られています。播磨坂と小石川植物園、春はたくさんの花を楽しめそうです。

まとめ

小石川養生所(現在の小石川植物園)の椿
この記事では小石川養生所をテーマに、小石川養生所が誕生するまで、小石川養生所とは、小石川養生所の廃止、小石川養生所の現在などについてお伝えしました。

ところで、小石川植物園に名前が似ている場所に「小石川後楽園」(東京都文京区後楽一丁目)があります。小石川後楽園は江戸時代に水戸徳川家の庭園があった場所で、現在は都立庭園になっています。

小石川庭園は回遊式の大名庭園で庭園そのものの美しさと、四季折々に咲く花で人気のスポットですが、小石川植物園とは異なります。両方とも素敵な場所ではありますが間違いないよう訪ねてみてください。

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こんにちは!風来爺です。年金を受け取る年齢ではないものの最近は体力の衰えを感じる自由人です。大学時代はアルバイトばかりしていましたが一応は日本史専攻、そして今は田舎に住んでいて季節の移り変わりを楽しんでいます。そんなことから、このサイトでは季節や歴史の話題を中心に思いつくままいろいろなことを書いています。

人間は柔らかいのですが、文章は硬くなりがちです。読みにくい部分もあるかと思いますが末永くお付き合いください。

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