>

夏の七草の名前とは!2つの説とそれぞれの植物をご紹介します

夏のイメージイラスト

この記事では、夏の七草についてご紹介をしていきます。

ところで七草と言えば、春の七草や秋の七草が有名です。

春の七草は、芹(せり)や薺(なずな)のように正月の七草がゆにいれて食べるもの。

一方、秋の七草は撫子(なでしこ)や女郎花(おみなえし)のように鑑賞して愛でるものです。

では、夏の七草はどうでしょうか。夏の七草に入る植物は概ね共通をしています。

しかし夏の七草については2つの説があり、一つは春の七草のように食べるもの、もう一つは秋の七草のように鑑賞するものです。

そこで、夏の七草の2つの説が生まれた背景や、それぞれに入る植物の名前や特徴を簡単にご紹介していきます。

スポンサーリンク


鑑賞する夏の七草

鑑賞する夏の七草はある和歌から生まれています。

その和歌とは、戦前の華族である勧修寺経雄(かじゅうじつねお、明治15年~昭和11年)が昭和初期に詠んだものです。

勧修寺経雄は『涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花』と詠んでいますが、ここから夏の七草が生まれています。

この和歌は、夏でも涼しさを感じさせてくれる7つの植物をあげていますが、それを列記すると次のようになります。

 
よし(あし)
おもだか沢瀉
ひつじぐさ未草
はちす(はす)
かわほね(こうほね)河骨
さぎそう鷺草

① よし(あし)

よしはイネ科の植物で川や湖などの水際に生えています。性質は強健で高さもあるよしは、風が吹くと一斉に靡いて一時の涼しさを感じさせてくれます。

② い

いはイグサ科の植物で湿った土地に群生をします。いは、畳表の原材料になります。

③ おもだか

おもだかはオモダカ科の植物で湿地などに自生をしています。おもだかを食用に供することはありませんが、オモダカ科の変種には食用のクワイがあります。

④ ひつじぐさ

ひつじぐさはスイレン科の水草です。昔の未の刻(現在の午後2時ころ)に花を咲かせることから未草の名前がついています。

⑤ はちす

はちすは一般的にははすの名前で知られています。ひつじぐさと同じくスイレン科の水草で、根茎は蓮根になります。

⑥ かわほね (こうほね)

かわほねもスイレン科の水草です。根茎が白っぽく骨のようにも見えることから河骨の名前がついています。

⑦ さぎそう

夏の七草の鷺草
さぎそうはラン科の球根で湿地を好みます。さぎそうは花の形が鳥のサギが飛んでいるように見えることから名づけられていて、今でも園芸品種として人気があります。

まとめ

勧修寺経雄の和歌から生まれた夏の七草は、基本的には食用にならないことが共通しています。またすべてが水辺の植物であることも共通をしています。夏の暑い中、水辺の植物は涼を呼び、風流を感じさせてくれます。

スポンサーリンク


食用にする夏の七草

食用にする夏の七草は、第二次世界大戦の末期に生まれています。第二次世界大戦の末期は敗戦が濃厚で食べるものもろくにない時代でした。

そこで日本学術振興会学術部野生植物活用研究小委員会が、昭和20年6月に選定したのが食べることができる夏の七草で列記すると次のようになります。

 
アカザ
イノコズチ猪子槌
ヒユ
スベリヒユ
シロツメクサ白詰草
ヒメジョオン姫女苑
ツユクサ露草

① アカザ

アカザはアカザ科の植物で、畑などの肥沃な土地を好みます。食用になるのは葉の部分で、茹でて食べるのが一般的です。

② イノコズチ

イノコズチはヒユ科の植物で日陰地を好みます。一般に薬草として用いられていますが、新芽は食用にもなります。

③ ヒユ

ヒユはヒユ科の植物で種類が多いのが特徴です。ヒユは若葉が食用になるため、昔は畑で栽培されていたこともあるようです。

④ スベリヒユ

スベリヒユはスベリヒユ科の植物で、夏の花として人気のあるポーチュラカもスベリヒユの仲間です。スベリヒユは繁殖力旺盛で栄養価も高いことから食用にも、漢方薬にもなります。

⑤ シロツメクサ

シロツメクサはマメ科の植物で、クローバーの名前で知られています。くせがないので花や茎を食用にすることができます。

⑥ ヒメジョオン

ヒメジョオンは白い花を咲かせるキク科の植物で草丈が1mを超えます。ヒメジョオンは、葉を天ぷらなどにして食用にすることができます。

⑦ ツユクサ

夏の七草の露草
ツユクサはツユクサ科の植物で青い花を咲かせます。ツユクサは薬草としても使われますが、花を咲かせる前の葉や茎は柔らかいため食用にも供されます。

まとめ

日本学術振興会学術部の夏の七草の特徴は食べられることです。もっとも時代背景は食糧難の戦争末期。

好んで食べるというようなものではなく、食べることができるというのがむしろ適切かもしれません。

さいごに

この記事では夏の七草ということで、鑑賞する夏の七草と食べる夏の七草をご紹介してきました。

もっとも夏の七草は春の七草や秋の七草と比べると、知名度は圧倒的に劣ります。

鑑賞する夏の七草は水辺とか湿地とか限定的な条件で生育する植物で、花そのものに美しさを感じさせるものがほとんどないこと。風流を理解した人でなければ、なかなかわかりにくいものです。

また、食用にする夏の七草は言うまでもなく、現在では一般的とはいえません。

今後も夏の七草が一般的になる可能性は低いかもしれませんが、春の七草や秋の七草だけでなく、夏の七草があるということを知っていても損はないかもしれないですね。