睡蓮と蓮の違いを3つにまとめて分かりやすくお伝えします

睡蓮と蓮の違いとは

この記事では、睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)の違いを大きく3つにまとめて分かりやすくお伝えします。

まず植物学上の分類は、睡蓮はスイレン科スイレン属、蓮はハス科ハス属。睡蓮も蓮も水生の多年草である点は共通していますがまったく異なる植物です。

また、名前の由来にも違いがあります。

睡蓮は一つの花が開いたり閉じたりを3日繰り返します。この姿が、眠ると目覚めるの繰り返しに見えることから、睡眠する蓮が略されて睡蓮になったと言われています。

水の上にプカプカと浮かんでいるように見えるので水蓮と勘違いされることもありますが、スイレンは漢字で睡蓮と表記します。

一方、蓮は花が咲き終わると果托になり中に実を持ちますが、この果托の姿がハチの巣に似ていることから、ハチスがハスになったと考えられています。

さて、前置きが長くなりましたが、睡蓮と蓮の違いを葉・花・根の3つに分けてお伝えします。

睡蓮と蓮の違い　葉

睡蓮と蓮では葉に大きな違いがあります。

ここでは、葉の形、葉の色、葉の大きさ、撥水性、立ち葉の有無で違いをご紹介します。

なお、ここでご紹介するのは原則で、品種によって例外が見られることもありますがご了承ください。

葉の形

睡蓮も蓮も葉は円形です。

しかし、睡蓮は一般的に葉に切り込みが入るのに対して、蓮の葉に切り込みはありません。

葉の色

睡蓮は品種によって班入りの葉や紅い葉などがあります。

蓮は濃淡はあるとしても葉の色は緑色のみです。

葉の大きさ

睡蓮と蓮の葉を比べると、睡蓮の葉は小さく、蓮の葉は大きいのが一般的です。

葉の撥水性

睡蓮の葉に撥水性はないので、水をかぶると表面が濡れます。

蓮の葉は撥水性があるので、水をかぶると葉の表面に水玉ができ転がっていきます。

立ち葉の有無

睡蓮は浮き葉だけで立ち葉はありません。

蓮は浮き葉だけでなく立ち葉があります。

浮き葉は水面に葉を展開させるものです。熱帯スイレンなどでは立葉のように見える品種もありますが、これも浮き葉です。

蓮の場合、まず成長するのは浮き葉です。浮き葉だけの蓮は、睡蓮と似ているので間違えてしまうこともあります。

しかし、蓮はその後に立ち葉がでてきます。立ち葉は文字の通り、水の上に葉が立っているように見えます。

睡蓮と蓮　葉の違いのまとめ

	睡蓮	蓮
葉の形	円形で切り込みがある	円形で切り込みがない
葉の色	緑以外の葉もある	緑色
葉の大きさ	小さい	大きい
葉の撥水性	ない	ある
立ち葉の有無	浮き葉のみで立ち葉はない	浮き葉も立ち葉もある

睡蓮と蓮の違い　花

花の咲く位置と果托の有無

遠くから眺めて違いが分かりやすいのが花の咲く位置です。

睡蓮は水面に浮かぶように咲く、あるいは水面近くで咲きます。

蓮は水面より上の方で咲きます。

また花が終わった後、睡蓮は果托(かたく)を作りませんが、蓮は果托を作ります。

なお、睡蓮はスイレン科スイレン属で多数の種があるのに対して、蓮はハス科ハス属で1種だけです。

睡蓮は種が多く、蓮は1種のみ。このことは睡蓮と蓮の花の咲きかたにも影響を及ぼします。

睡蓮と蓮の花の違いでもっとも一般的なのは、花の咲く位置と果托の有無ですが、補足的にそれ以外の違いもご案内します。

花の咲く時間

睡蓮も蓮も花が咲くのは午前中で、午後の早い時間に閉じます。

しかし睡蓮の中には夕方まで咲いているものや、夜に開花するものもあります。

花の咲く時期

睡蓮(熱帯性睡蓮)も蓮も見ごろの時期は6月頃から9月頃までとされています。

しかし、睡蓮(温帯性睡蓮)は少し早く5月頃から花を咲かせます。

花の色

睡蓮の花は、白・ピンク・赤・青紫・紫・黄など色が多彩です。

蓮の花の色は、ピンク・白・黄で色数は多くありません。

睡蓮と蓮　花の違いのまとめ

	睡蓮	蓮
花の位置	水面・水面近く	水面より上
果托	作らない	作る
花の咲く時間	午前中(それ以外の時間帯に咲くものもある)	午前中
花の咲く時期	5月頃～9月頃	6月頃～9月頃
花の色	多彩	ピンク・白・黄

睡蓮と蓮の違い　根

睡蓮の根は、球根のような形あるいはワサビ状の形の根になります。

蓮の根は成長すると肥大化し、レンコン(蓮根)になります。

	睡蓮	蓮
根	球根・ワサビ状になる	蓮根になる

まとめ

この記事では、睡蓮と蓮の違いを、葉・花・根の3つにまとめてお伝えしました。

すべてでなくても、ご紹介した違いのいくつかを理解していれば、睡蓮と蓮は簡単に見分けられるのではないでしょうか。

あとは名前に惑わされないことも大切かもしれません。

たとえばオニバス(鬼蓮)は蓮の仲間と勘違いしそうですが睡蓮の仲間です。もっともオニバスに立ち葉はないので、原則が分かれば、惑わされなくてすみそうですね。