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目次
はじめに
この記事では、野球のゲーム差の計算方法と、ゲーム差がマイナスになる場合について、お伝えしていきます。プロ野球が始まると、新聞紙のスポーツ欄にセ・リーグとパ・リーグの順位表が掲載されるようになります。
順位表には、首位から最下位までの順位以外にも様々なことが書かれています。
具体的には、消化試合数・勝利数・敗戦数・引分数・勝率、そしてゲーム差です。試合数から勝率までは理解しやすい項目ですが、ゲーム差はどうでしょうか。
ゲーム差の意味を知らない人にとっては、なぜ、ゲーム差が書かれているのか理解に苦しむと思います。
そこで、野球のゲーム差の計算方法と具体的事例。あわせて、ゲーム差がマイナスになる場合がありますが、その理由と事例についてもお伝えします。
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ゲーム差の計算方法と具体的事例
ゲーム差の計算方法
ゲーム差は、上位チームと下位チームの差を、計算式を使って表した指標です。簡単に言えば、最低何試合あれば下位チームが上位チームに追いつくかを示したものです。ゲーム差の計算は、
{(上位チームの勝数-下位チームの勝数) + (下位チームの敗数-上位チームの敗数)}÷2
で求めることができます。
ゲーム差の計算の具体的事例
ここでは、100試合終了時点でのAチームとBチームの成績からゲーム差を計算します。1.100試合終了時点
Aチーム | 80勝20敗 |
Bチーム | 70勝30敗 |
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 30敗-20敗=10
(10+10)÷2=10ゲーム
この場合、AチームとBチームのゲーム差は10ゲームになります。
2.101試合終了時点 Aチーム・Bチームとも勝利
次の試合(101試合目)で、AチームもBチームも勝ったらゲーム差はどうなるのでしょうか。Aチーム | 81勝20敗 |
Bチーム | 71勝30敗 |
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 30敗-20敗=10
(10+10)÷2=10ゲーム
AチームとBチームが両方勝った場合、ゲーム差は10ゲームのままです。
なお、この事例では「AチームもBチームも勝ったら」という前提でしたが、Aチーム・Bチームともに負けた場合も結果は同じです。(ゲーム差は10ゲームのまま)
3.101試合終了時点 Aチーム引分・Bチーム勝利
次の試合(101試合目)で、Aチームが引分、Bチームが勝ったらゲーム差はどうなるのでしょうか。Aチーム | 80勝20敗1引き分け |
Bチーム | 71勝30敗 |
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 30敗-20敗=10
(9+10)÷2=9.5ゲーム
Aチーム引き分け、Bチーム勝利の場合、ゲーム差は0.5ゲーム縮まり、9.5ゲームになります。
4.101試合終了時点 Aチーム敗戦・Bチーム勝利
次の試合(101試合目)で、Aチームが負け、Bチームが勝ったらゲーム差はどうなるのでしょうか。Aチーム | 80勝21敗 |
Bチーム | 71勝30敗 |
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 30敗-21敗=9
(9+9)÷2=9ゲーム
Aチーム敗戦・Bチーム勝利だと、ゲーム差は1つ縮まります。特に直接対決の場合は、こうしたことが多くみられます。
極端な話、101試合目から110試合目までの10試合で、Aチームがすべて負け、Bチームがすべて勝ったとします。
そうすると、Aチーム80勝30敗、Bチーム80勝30敗で、ゲーム差はなくなります。
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ゲーム差がマイナスになる場合と具体的事例
ここまで、ご紹介してきたゲーム差は、上位チームと下位チームの貯金や借金の差を、計算式を使って表した指標です。ゲーム差という指標では、貯金が多いチームの方が上位にきます。
貯金と借金の考え方
80勝20敗の場合 ⇒ 貯金60、20勝80敗の場合 ⇒ 借金60になります。
しかし、野球には勝ち負けだけでなく「引分」があります。
また、ペナントレース途中では、試合の消化数にも差が出てきます。
プロ野球の最終順位は、ゲーム差ではなく勝率で決まりますが、引分数や試合消化数の違いにより、貯金は少ないけれど勝率が上回ることがあります。
このような時に、ゲーム差がマイナスになることがあります。
引分数の違いによりゲーム差がマイナスになる場合
ここでは、10ゲーム消化時点でご紹介します。成績 | 勝率 | 貯金 | |
Aチーム | 5勝5引分 | 10割 | 5 |
Bチーム | 8勝2敗 | 8割 | 6 |
しかし、ゲーム差を先ほどの計算式に当てはめると
(上位チームの勝数 – 下位チームの勝数) ⇒ 5勝-8勝=-3
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 2敗-0敗=2
(-3+2)÷2=-0.5ゲーム
この場合、1位はAチームであるものの、AチームとBチームのゲーム差は-0.5ゲームになります。
試合消化数の違いによりゲーム差がマイナスになる場合
ここでは、Aチーム100ゲーム、Bチーム109ゲーム消化という前提でご紹介します。成績 | 勝率 | 貯金 | |
Aチーム(100ゲーム消化) | 64勝36敗 | 6割4分 | 28 |
Bチーム(109ゲーム消化) | 69勝40敗 | 6割3分3厘 | 29 |
しかし、ゲーム差を先ほどの計算式に当てはめると
(上位チームの勝数 – 下位チームの勝数) ⇒ 64勝-69勝=-5
(下位チームの敗数 – 上位チームの敗数) ⇒ 40敗-36敗=4
(-5+4)÷2=-0.5ゲーム
この場合、AチームとBチームのゲーム差は、-0.5ゲームになります。
さいごに
この記事では、野球のゲーム差の計算方法と、ゲーム差がマイナスになる場合について、事例をあげながら、お伝えしてきました。プロ野球のペナントレースで順位を決めるのは、ゲーム差ではなく勝率です。したがって、ゲーム差は順位を考える場合、必要のない数字なのかもしれません。
ただ、長いペナントレースの中で、毎日、細かな勝率を出されても、上のチームと下のチームとでは、どの程度の差があるのかを、すぐに把握するのは案外と困難です。
その点、最終的な順位の判断基準にはならなくても、ゲーム差という指標は、上位チーム・下位チームの差を直感的に理解できます。
そうした意味で順位表の中に示されるゲーム差は、野球ファンを一喜一憂させる、有意義なデータと言えるのではないでしょうか。
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