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浮世絵と錦絵の違いをわかりやすくお伝えします!

錦絵のイメージイラスト
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はじめに

浮世絵と錦絵の違いをわかりやすくお伝えします。

浮世絵や錦絵は定義があいまいで、浮世絵と錦絵は同じものとする意見もあります。

そのことを否定するわけではありませんが、この記事では浮世絵と錦絵で一般的に言われている違いについてお伝えします。

浮世絵とは

浮世絵は江戸時代初期に誕生したと考えられています。

そして「浮世」には現代という意味があり、浮世絵は当時の風俗全般を描いたものとされています。

題材は人物であったり風景であったりしますが、何れにしても世間一般の人々の衣食住など、当時の風俗が描かれていれば浮世絵というジャンルに入ってきます。

また、浮世絵は木版画が多いものの、肉筆画も本の挿絵も範囲に含まれています。

浮世絵は、江戸時代初期からという時代の幅も、風俗全般というジャンルの幅も、そして版画にとどまらないという種類も広いことが分かります。

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錦絵の誕生

浮世絵は江戸時代に入ってから生まれたと考えられていますが、最初の頃の浮世絵は肉筆画を除けばほとんどが単色刷りで、華やかさに乏しく地味なものでした。(墨摺絵)

なかには、手塗りで彩色する紅摺絵もありましたが、これも色の種類は多くはありませんでした。

また、色を加えるのはとても手間のかかる仕事であったことから、大量生産できないという弱点もありました。

この浮世絵の弱点を克服したのが、浮世絵師の鈴木春信(すずきはるのぶ、1725年頃~1770年)です。

鈴木春信は多色摺りの技法を完成させ、華やかな色遣いで大量生産できる木版画(錦絵)を生み出すことに成功しています。

浮世絵と錦絵の違い

浮世絵は、江戸時代初期の頃に誕生し、当時の風俗全般を描いたものです。

また、木版画だけでなく肉筆画も本の挿絵も、浮世絵というジャンルに分類されます。ただし、肉筆画を除けば使う色の数は少なく、華やかさに欠けていました。

一方、錦絵は江戸時代中期の1765年頃に誕生したものです。

当時の風俗全般を描くという点では浮世絵と変わりありませんが、錦絵は木版画。しかも、多色摺りという点に特徴があります。

このように、浮世絵と錦絵にはいくつかの違いがあります。

そして浮世絵と錦絵の違いをもっとも端的に示すと「浮世絵の中に錦絵は含まれる」ということで、浮世絵の1つのジャンルが錦絵であるといえそうです。

浮世絵と錦絵の違い

 
浮世絵錦絵
誕生江戸時代初期江戸時代中期
描く対象風俗全般風俗全般
種類木版画・挿絵・肉筆画木版画
単色か2~3色多色刷り

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さいごに 明治以降の錦絵

明治になっても、多色刷り木版画の錦絵は作られています。

浮世絵師にとって文明開化の景色は目新しいものがありましたし、外国からはそれまでの日本にはなかった色ももたらされました。

浮世絵はともかくとして、錦絵は明治に入っても命脈を保ち続けていました。

もっとも明治30年頃になると写真が普及するようになり、錦絵の隆盛もそこで途絶えてしまいます。

ただ、錦絵のすべてが途絶えたわけではなく、明治30年頃からは錦絵の技法を取り入れながらも新しい風を吹き込んだ「新版画」が誕生しています。

江戸時代中期から明治30年頃までの錦絵も人気がありますが、新版画と言われる作品も多くの人に愛されています。

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